Date:2006/08/22 23:43
文法の話。
「名詞にはどんな種類があるでしょうか?」と聞かれたら、何と答えるか?
普通名詞、代名詞、固有名詞…といったなかで、今回は形式名詞について。
形式名詞とはその名の通り、形式的な名詞である。
形式的という意は、その語が本来もつ意味が薄れてしまっているということ。
例えば、「野球をしているとき」の「とき」、「やったこと無い」の「こと」、などが形式名詞である。
そして、これら
形式名詞は漢字で書かない。先ほどの「やったこと無い」を「やった事無い」と書くのは誤りである。
実際、文部省の通達文章などを見ると良く分かる。
例えば、「
平成八年度幼稚園就園奨励費補助金事務処理要領について」という通知文章中では、多くの『こと』が使われている。
しかし、『事』は『事業』などで使われているものの、形式名詞の『こと』の箇所には全く使われていない。
なんでこんなことを書くのかというと、
書籍編集者の校正日記さんにもあるように、最近パソコンを使うことが多いためか、
漢字が多用されている。
特にテレビ。「そんなこというなよ」のテロップが、「そんな事言うなよ」となっている。
悪いとは言わない。
しかし、上記テロップや、ビジネスメール中にある「よろしくお願いします」を「宜しくお願いします」、「そのため」を「その為」などと書かれているのを見ると、「おいおい、お前は手書きでもそう書くのか?」と思ってしまう。
漢字を使うと文章が締まり、いかにも賢そうに見えるが、個人的にそれは
文章力に自信が無いから、とりあえず漢字を使ってごまかしておこうか、という印象が拭いきれない。
そういう自分への戒め。
ちなみに、理想の文章は星新一さんのような、簡単かつ分かりやすい文章。
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